チーム医療を機能させるコミュニケーション

よく耳にするのが、チーム医療は大切だということではないでしょうか。チーム医療とは、医師や看護師、薬剤師、放射線技師などの専門職が協働して、一人の患者の病気を治していくことです。しかし、チーム医療を実現することが難しい場合が多々あります。

その最も大きな原因は、コミュニケーションの仕方です。もともと病内でコミュニケーションがとれておらず、個々の専門職が独立して仕事をしていた場合、いきなり多職種とコミュニケーションをとって協働するのは難しいでしょう。従来の医療は医師がトップとなり、その医師の指示で他の専門職が仕事をしていました。

たとえば、医師と看護師の意見が違う場合、看護師が医師に堂々と自分の意見をいうことは困難となります。医師から見ると、「あの看護師は自分の意見をいわない。チーム医療に非協力的だ」ということになりかねません。また、看護師から見たら「患者のことをよくわかっているのは、看護師である私だ」と思うこともあるでしょう。

これではチーム医療とは名ばかりで、実際には機能しないことになります。チーム医療では、医師が中心となって専門職を理解すると共に、チーム医療とはどういうものか、専門職と連携する際の注意点は何かなどを熟慮し、それぞれの意見や考え方を引き出すことが必要です。個人の性格が大きく影響しますが、お互いをよく理解して尊敬し合う姿勢、話し合いがしやすい雰囲気や人間関係を作っていくことが欠かせません。

チーム医療での職種ごとの役割

チーム医療とは、医師や看護師などの医療スタッフがそれぞれの専門性を発揮して、高度な医療ケアを患者に提供するものです。患者に対して的確な治療を施すためには、それぞれの専門職が自らの役割をしっかりと果たす必要があります。

まず、チーム医療での医師の役割は、診察をしたうえで治療方針を決定し、それぞれの専門職に方針を伝えることです。自らが中心となって治療にあたるだけでなく、それぞれの専門職が役割を果たせるように的確な指示出しをすることも必要となります。また、患者はもちろん家族に対しても病状を説明し、治療方針についての理解を得ることが欠かせません。チーム医療の現場では、医師はリーダー的な役割だといえるでしょう。

次に看護師の役割は、患者の身体的な苦痛や精神的な不安を把握したうえで適切な看護ケアを施すと共に、他の専門職と情報を共有することです。医師から患者への説明が足りないときは、補足説明を行うこともあります。さらに、患者や家族の本音やメッセージを的確に把握し、医師やその他の専門職に伝える役割も求められるのです。

そして、薬剤師の役割は、使用する医薬品の名称や効能、保管上の注意などについて、正しく情報提供を行うことが挙げられます。副作用が考えられる医薬品を用いるのであれば、この点についてもしっかり説明することが欠かせないでしょう。もちろん、その他の専門職にもしっかりと役割があり、それぞれがコミュニケーションをとりつつ協働することで、チームでの医療が完遂できるのです。